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北区アーチェリー協会 |
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[2006.10.29] |
上海ワールドカップ観戦記2(中国支部便り-その5 ) |
上海ワールドカップ観戦記 2
上海は私のこころの様に今にも泣き出しそうな曇り空で朝を迎えた。昨晩、日本チームからは誰も出場しないとの情報を得て、ちょっと気分は盛り下がっていた。タクシーに乗ること30分ほどで、試合会場のミンハン運動公園に到着した。
試合会場では、ガードマンがセキュリティーチェックし、出場各国の国旗がたなびき、公園中央のフィールドには、オリンピックラウンド決勝用に70mに設置された的がこじんまりと2つだけ。それを囲んでスポンサーの広告看板や階段状の仮設観客席が設けられていた。斜め前方には大きなモニターが配置され、FITA専属カメラマンが撮影する、選手の緊張した表情や、矢がゴールドに吸い込まれていく的の瞬間、観客席の様子などを大リーグ中継のように、入れ替わりリアルタイムで映し出すようになっていた。
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(広島アジアのリハーサル大会では、係員が双眼鏡で見て当たったとこへ模擬的に矢を刺して、観客サービスしたっけ・・・)
9時の試合開始に1時間ほど早く到着したので、会場内をブラブラ観てまわることにした、本来なら選手用のフィールドには一般観客は立ち入り禁止だが、そこは中国で鍛えたずうずうしさ、中国語、日本語、英語を巧みに使い分けVIPのフリをする、しかも今日は我が北区のユニフォームまで着用して来たのである。
(同じユニフォームの選手はもちろん他にはいないが・・なんとか関係者を装った)
セキュリティーをすり抜けると、別に設けられた練習用レンジに見覚えのある台湾コーチの顔を見つけた。彼は、13年前の広島アジア大会のとき、一緒に大酒を飲んだ仲だ。当時は、同じ台湾チームの別の人に日本語の通訳をしてもらって話しをしたが(台湾人は日本語ができる人が多い)今回は中国語だ。今中国で仕事をしていることや、当時出会った広島で、一緒に来ていた仲間の台湾の人が湖畔のホテルを経営していて、「私をタダで泊めてくれる」と言ったのをいまだ覚えていることを伝えた(笑)。国際大会のたびに選手団を引き連れて世界中を飛び回る忙しい彼だが、私のことをよく覚えてくれていて、最後に一緒に写真を撮った。
アーチェリーを通じて世界に友人がいると思うととてもハッピーである。
また、運営側招待客として参加していた、全ア連のHさんに会い、今私がこの国で江蘇省のアーチェリー養成学校に潜入(?)していることなどを伝え、Hさんからは、安倍総理が某大学アーチェリー部出身で、今のところ総理(前会長)に代わる全ア連会長がまだ見つからなくて困っている、という裏話を聞いた。
さて、試合が始まるころになると、近くの小中学校から動員された子供たちが観客席をほぼ満員にして、大会気分を盛り上げてきた。私はFITAのカメラマンに張り合うように、選手に一番近い後ろの席を陣取り、持参のビデオをセットした。見渡したところ日本人観客は私だけのようだ。
試合が始まり、巨大モニターのおかげで一射ごとに点数がすぐに分かり、観ている方も息詰まる熱戦に巻き込まれていく。この手に汗握る70m一射一射交互に射る勝ち抜き戦(オリンピックラウンド)のおかげで、アーチェリーはオリンピック種目にとどまったというのもうなずける。以前の試合形式に比べ格段に面白い。五輪にコマーシャリズムを導入した影響で、人気のない、観客が入らない、広告費の取れない競技は、競技種目から次々と削除されているのが現状だ。試合は地元中国選手の活躍で大いに盛り上がり、地元の小中学生がFITAの会場係員からウエーブを教えてもらっている一幕もあった。
さらに、韓国の強さは知っていたつもりではあったが、リカーブでコンパウンドとなんら変わらないグルーピングを見せる韓国選手のシューティング・テクニックには鳥肌が立つほど魅せられた。流行語になった「感動した!」ではないが、アーチェリーでも感動できるんだと妙なところに感動。
結局、コンパウンド男子団体はアメリカ、同女子はロシア、リカーブ団体は男女とも韓国が優勝した。
開催地中国も子供たちの応援の甲斐あって、リカーブ女子団体で銀、リカーブ男子個人では、銅を獲得した。
試合後、銀メダルの中国女子ナショナルチームの方々と一緒に記念撮影。
「謝謝小姐、我日本射箭愛好者一起渇茶?」(きみたち、ボク日本のアーチャーだけど一緒にお茶でも・・・)
日本代表、不屈の精神で、今後の活躍に期待です。
(W杯観戦記 その2終わり)
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